平成27年度に埼玉県で実施された職業訓練の選考試験で出題された試験問題と、その解答と解説です。 本ページでは数学問題の設問2(正式なテスト用紙上では設問5)のみ記載しています。数学問題の設問1、3に関しては、以下のページを参照してください。

埼玉 職業訓練 試験問題[長期] 数学-問1(平成27年入校生)
埼玉 職業訓練 試験問題[長期] 数学-問3(平成27年入校生)

試験問題 設問2

次の(1)~(4)の問いに答えなさい。

[問題1]
面積が15cm²で、横が縦より2cm長い長方形がある。この長方形の縦の長さを求めなさい。

[問題2]
原価に2割の利益を見込んで定価をつけ、定価の200円引きで売ったら、300円の利益があった。原価を求めなさい。

[問題3]
りんご3個となし2個を買うと520円で、りんご2個となし1個を買うと320円だった。りんご1個、なし1個の値段をそれぞれ求めなさい。

[問題4]
A君の家から公園を通って駅まで行くと1,000mある。A君が家を出てから公園まで毎分80mで歩き、公園から駅までは毎分50mで歩くと家から駅まで14分かかった。家から公園までは何mか求めなさい。

解答と解説

試験問題1の解答:
長方形の縦の長さをXとします。長方形の横の長さは縦の長さよりも2cm長いので横の長さはX+2となります。

縦の長さ X
横の長さ X+2

長方形の面積を求める式は、縦×横。設問より面積は15cm²と分かっているので次の式で表すことができます。

Xx(X+2)=15

この式を解くと縦の長さXが求まります。

Xx(X+2)=15
X²+2X=15
X²+2X-15=0
(X+5)(X-3)=0

よって、X=-5、3

辺の長さにマイナスはあり得ないので、縦の長さは3cmとなります。横の長さは縦の長さよりも2cm長いので5cmとなります。

よって、求める解答は

縦の長さ3cm

※補足
この程度の問題の場合、二次方程式にして計算するよりも一片の長さがXでもう一辺がX+2、そして面積が15cmであれば頭の中で即、一片の長さが3cmと5cmと思い浮かべられるようにしたいところです。

解答:3cm

試験問題2の解答:
原価に2割の利益を見込んで定価を付けるということは、原価に原価の2割の額を上乗せするということになり、次のことを意味します。

定価で売った場合
利益=原価x0.2 ・・・(1)

更に、設問の「定価の200円引きで売ったら、300円の利益があった。」という点より、200円引きで売らず定価で売った場合、利益が500円(200円+300円)だと分かります。これを(1)式にあてはめると次の式になります。

利益=原価x0.2 ・・・(1)
500円=原価x0.2

この式を解くと求めたい原価がでてきます。

500円=原価x0.2
原価=500÷0.2
  =2500円

解答:2500円

試験問題3の解答:
求めたいりんご1個の値段をX、なし1個の値段をYとします。

設問の「りんご3個となし2個を買うと520円」という点より以下の式が成り立ちます。
3X+2Y=520 ・・・(1)

更に「りんご2個となし1個を買うと320円」という点より以下の式が成り立ちます。
2X+Y=320 ・・・(2)

この式(1)と(2)の連立方程式を解くと求めたいXとYの値がでてきます。
3X+2Y=520 ・・・(1)
2X+Y=320 ・・・(2)

式(2)の両辺に2を掛けます。
2Xx2+Yx2=320×2 ・・・(2)
4X+2Y=640 ・・・(2)

式(2)-式(1)をすればXの値が求まります。
4X+2Y=640 ・・・(2)
3X+2Y=520 ・・・(1)
————————
X=120

更にこの「X=120」を式(1)もしくは式(2)に代入するとYの値も求まります。
2X+Y=320 ・・・(2)
2×120+Y=320
240+Y=320
Y=320-240
Y=80

よって、りんご1個の値段は120円、なし1個の値段は80円となります。

解答:りんご120円、なし80円

試験問題4の解答:

※補足

まず、この問題を解くのにあたり、時速、距離、時間の公式を覚えておく必要があります。

時速=距離(KM)/時間(h)

車やバイクに乗っている人であればスピードメーターを見たことがあると思いますが、時速の単位は「km/h」ですよね。これは、まさに時速は「距離/時間」のことを意味しています。これを覚えておけば公式を忘れることはないと思います。

こういった問題は下図のように図にした方が間違え難く、解くのも容易になることが多いです。

saitama-sugaku-h27-l-q2

求めたい家から公園までの距離をXとします。そうすると、公園から駅までの距離は次の様に表すことができます。

家から公園までの距離:X
公園から駅までの距離:1000-X

公式を使って家から公園までにかかった時間と、公園から駅までにかかった時間は次の様に表すことができます。

家から公園までにかかった時間
時速=距離÷時間
80=X÷時間
時間=X/80 ・・・(1)

公園から駅までにかかった時間
時速=距離÷時間
50=(1000-X)÷時間
時間=(1000-X)/50 ・・・(2)

設問より、家から公園まで歩くのにかかった時間は14分だと分かっています。よって、式(1)と式(2)の合計時間が14分ということになります。

(1)+(2)=14分
(X/80)+{(1000-X)/50}=14

この式を解くと求めたい距離Xがでてきます。解き方はいくつかありますが、分数計算は面倒なので私であれば両辺に4000を掛けて整数計算にします。

(X/80)x4000+{(1000-X)/50}x4000=14×4000
50X+(1000-X)x80=56000
50X+80000-80X=56000
50X-80X=56000-80000
-30X=-24000
X=800

よって、家から公園までの距離は800m

解答:800m