この問題は平成28年4月入校の東京都立職業能力開発センター入校選考試験問題の問2の(3)と(4)の解答と解説です。
問1および、問2の(1)(2)(5)に関しては以下のページに解説をまとめているので参考にして下さい。
実際の試験の問題用紙は以下のページで確認することができます。
■目次
試験問題 問2(3)
2つのサイコロA、Bがあります。サイコロAの出る目をa、サイコロBの出る目をbとするとき、(2a+b)の値が3の倍数となる確率はいくつですか。分数で求めなさい。
解答と解説
問2(3)の解答:1/3
確率を求めるには、『あり得る組み合わせ総数』と『事象が起きる組み合わせ数』が必要になるため組み合わせ数を求める公式を知っている必要があります。
この問題を解く流れは次の通りです。
解くまでの流れ
- あり得る組み合わせ総数を求める
- 事象が起きる組み合わせ数を求める
- 確率を求める
あり得る組み合わせ総数を求める
サイコロ2つを振って出る目の組み合わせ総数がこれに該当します。サイコロABともに1~6の6つの目があるので、出る目の組み合わせ総数は次の通り。
出る目の組み合わせ総数=6×6
=36通り。
事象が起きる組み合わせ数を求める
『事象が起きる組み合わせ数』とは、この場合、(2a+b)の値が3の倍数となる組み合わせ数になります。
(2a+b)が最小となるのはaとbが共に1のときで3となります。逆に最大になるのはaとbが共に6のときで18となります。よって、3~18の数字の中で3の倍数を抜き出します。そうすると『3,6,9,12,15,18』次の6つの値が該当してきます。
よって、以下の6つの式が成り立つaとbの組み合わせ数を求めればよいことになります。
- 2a+b=3のとき(a,b)=(1,1)
- 2a+b=6のとき(a,b)=(1,4),(2,2)
- 2a+b=9のとき(a,b)=(2,5),(3,3),(4,1)
- 2a+b=12のとき(a,b)=(3,6),(4,4),(5,2)
- 2a+b=15のとき(a,b)=(5,5),(6,3)
- 2a+b==8のとき(a,b)=(6,6)
よって、(2a+b)の値が3の倍数となる組み合わせ数は12通りとなります。
確率を求める
出る目の組み合わせ総数が36通り、(2a+b)の値が3の倍数となる組み合わせ数は12通りなので(2a+b)の値が3の倍数となる確率は次の通り。
確率=12/36=1/3
試験問題 問2(4)
1辺が10cmの正方形があります。この正方形の横の長さをX%伸ばし、縦の長さを(X+3)%縮めて長方形にしたとき、もとの正方形の面積より3.1%小さくなりました。このとき、Xの値はいくつですか。
解答と解説
問2(4)の解答:2
元の正方形は1辺が10cmなので、面積は次の通りとなります。
正方形の面積=10×10
=100cm²・・・①
次に変形後の長方形の面積について考えていきます。ここの計算は間違いやすいのでまずは図式化しておきます。
まず、横の長さがX%伸びるということなので、伸びた長さは次の通り。
横の伸びた長さ=10×(X/100)
=X/10
縦の長さは(X+3)%縮めるとのことなので、縮んだ長さは次の通り。
縦の縮んだ長さ=10×{(X+3)/100}
=(X+3)/10
※Xは%なのでそのままXをかけるのではなく100で割ることを忘れないようにしてください。
よって、長方形の横の長さは「10+X/10」、縦の長さは「10-(X+3)/10」となります。そして、変形後の面積は次の通り。
変形後の面積=(10+X/10)×{10-(X+3)/10}
=100-(X+3)+X-X(X+3)/100
=97-X(X+3)/100・・・②
元の正方形から面積が3.1%減るということは、変形後の長方形の面積は元の正方形の面積の96.9%だとわかります。よって、その面積は次の通り。
変形後の面積=正方形の面積×(96.9/100)
=100×(96.9/100)
=96.9
よって、この面積が②の面積を等しくなるはずなので以下の式が成り立ちます。
97-X(X+3)/100=96.9
9700-X²-3X=9690
X²+3X-10=0
(X+5)(X-2)=0
X=-5と2
本来であれば解答は-5と2の両方なのですが、実際の解答を確認すると2だけになっています。
-5の場合、問題文に当てはめると「正方形の横の長さを-5%伸ばし・・・」、「縦の長さを-2%縮めて・・・」と不自然な表現になってしまうため問題作成者としては「2」だけを解答として考えているのだと思いますが、解答としては-5もあり得るのでやや不親切な問題だと言えます。
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