この問題は平成30年10月入校(試験実施日:平成30年8月24日)の大阪職業訓練普通過程(高校卒業程度)の選考試験問題問3の解説です。
中学卒業レベルの短期課程の問題とは異なり、普通課程は高校卒業レベルになるため問題レベルが一気に高くなります。そのため、事前に予習して行く人として行かない人とでは大きな差が出るため、当サイトで解説している過去問を繰り返し実施し、しっかりと解けるようにしておきましょう。
実際の試験の問題用紙は以下のページで確認することができます。
⇒大阪府職業訓練校試験問題(平成30年度8月24日実施 普通課程)
問1、問2、問4に関しては以下のページに解説をまとめているので参考にして下さい。
問3 試験問題
下の図は、1 辺の長さが 6 cm の正四面体 ABCD である。辺 AB、BC、CD 上にそれぞれ点 P、Q、R をとり、AP=BQ=DR=2 cm である。以下の問いの答えとして正しいものをア~オの中から1つ選び、記号で答えなさい。
[問題1] △ABC の面積を求めよ。
[解答群]
- 3√3 cm²
- 6√3 cm²
- 9√3 cm²
- 18√3 cm²
- 36√3 cm²
[問題2] 正四面体 A-BCD の体積は四面体 P-BCD の体積の何倍か。
[解答群]
- 13 倍
- 32 倍
- 23 倍
- 2 倍
- 3 倍
[問題3] 四面体 PQRD の体積を求めよ。
[解答群]
- 43√2 cm³
- 2√2 cm³
- 83√2 cm³
- 4√2 cm³
- 6√2 cm³
解答と解説
解答と解説を記載していきます。
解き方が分からないという人を少しでも減らすためにできる限り分かり易く必要以上に細かく順を追って解説している部分がありますが、実際の試験時は丁寧に計算し過ぎると時間のロスに繋がるため、自分の分かるところは効率よく解答していくようにしてください。
問題1の解答と解説
試験問題1の解答:ウ
頂点Aから線分BCへ垂線を引き、その交点をFとすると、線分BC=3㎝、AFは△ABCの高さになります。
そうすると、斜辺と他の一辺が2:1なので特別な直角三角形の比が成り立ちます。
よって、高さAFの長さは3√3となります。
△ABCの面積は次の通り。
△ABCの面積=底辺×高さ÷2
=6×3√3÷2
=9√3 cm²
問題2の解答と解説
試験問題2の解答:エ
A-BCDも、P-BCDも四面体という言い方をしていますが、三角錐です。よって、これらの体積を求めるには三角錐の体積を求める公式を知っている必要があります。
頂点Aから底面のBCDへ垂線を下ろし、その交点をGとします。同様に頂点Pから底面のBCDへ垂線を下ろし、その交点はJと仮定すると下図のようになります。
ここで△ABGと△PBJは内角が等しいので相似な三角形だとわかります。辺ABと辺PBの比が4:6なので、辺PJと辺AGの比も4:6=2:3となります。
PJ:AG=2:3
2AG=3PJ
PJ=23AG
(三角錐P-BCDの体積)=底面積×高さ÷3
=底面積×PJ÷3
=底面積×23AG÷3
=23×底面積×AG÷3
ここで、上式の「底面積×AG÷3」の部分は、『三角錐A-BCDの体積』の体積のことなので、以下のようになります。
(三角錐P-BCDの体積)=23×(三角錐A-BCDの体積)
(三角錐A-BCDの体積)=32×(三角錐P-BCDの体積)
よって、「三角錐A-BCDの体積」は、「(三角錐P-BCDの体積」の32倍
問題3の解答と解説
試験問題3の解答:ウ
体積を求めたい図形は下図のような四面体(三角錐)です。
三角錐の体積を求めるには底面積と高さを知る必要があるので順に求めていきます。
三角錐の底面積を求める
底面の三角形QRDの底面をDRとしたとき、この三角形の高さは点Qから辺DCに対して垂線を引いたQKになります。三角形QRDの面積を求めるにはこの高さを知る必要があります。
△QCRは△QBDの各辺を2cmずつ小さくした一辺が4cmの正三角形です。よって、CKの長さは2cmで、特別な直角三角形の辺の比より、以下の比が成り立ちます。
CK:QC:QK=1:2:√3
よって、高さQKの長さは2√3となり、三角形QRDの面積は次の通り。
三角形QRDの面積=2×2√3÷2
=2√3
三角錐の高さを求める
三角錐の高さを求めるには、三角形の重心の性質を知っている必要があります。
A-BCDは正四面体なので、点Aから△BCDの垂線を引いて交わる点をGとした場合、点Gは△BCDの重心となります。
三角形の重心の性質より、BG、GHの比は次の通り。
BG:GH=2:1
よって、BGはBHの長さの23だと分かります。
BG=3√3×23
=2√3
三平方の定理より以下の式が成り立ちます。
AB²=BG²+AG²
6²=(2√3)+AG²
36=12+AG²
AG²=24
AG=2√6
しかし、知りたい高さはAGではなくPから△BCDに垂線を下ろした長さです。
Pから△BCDに垂線を下ろした長さの32倍がAGの長さになるというのは問題1の仮定で分かっているので、Pから△BCDに垂線を下ろした長さは次の通り。
Pから△BCDに垂線を下ろした長さ
=2√6×23
=4√63
三角錐の面積を求める
よって、三角錐の面積は次の通り。
体積=底面積×高さ÷3
=2√3×4√63÷3
=8√189
=24√29
=8√23
※解説を記載するまでもないと判断した問題に関しては、解説を記載せず解答のみを記載しています。もし、この問題の解説が欲しいというのがあれば、コメント欄に記載してください。また、記載している解説の内容に誤りや不明な点があれば遠慮なくコメントください。
問題2の答えが違うと思います。
PJ:AG=3:2 ではなく
PJ:AG=2:3 かと思います。
PJ=3/2 AG だと、AGよりPJが大きくなってしまいます。
あと、とわれているのは
「正四面体 A-BCD の体積は四面体 P-BCD の体積の何倍か。」です。
とおりすがり様
ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。