この問題は平成30年10月入校(試験実施日:平成30年8月24日)の大阪職業訓練短期過程の選考試験問題問3の解説です。特に難しい問題はありませんが、間違いやすい問題もあるのでこれらの過去問を繰り返し実施し、短時間かつ正確に解けるようにしておきましょう。
実際の試験の問題用紙は以下のページで確認することができます。
⇒大阪府職業訓練校試験問題(平成30年度8月24日実施 短期課程
問1、問2、問4に関しては以下のページに解説をまとめているので参考にして下さい。
問3 試験問題
下の図のように放物線y=ax²と2直線l 、mがそれぞれ2点A、BとB、Cで交わっている。点Aの座標は(-2、1)、点Bのx座標が6、点Cのx座標が2である。以下の問いの答えとして正しいものをア~オの中から1つ選び、記号で答えなさい。
[問題1] aの値を求めよ。
[解答群]
- 14
- 13
- 12
- 1
- 2
[問題2] 直線mの式を求めよ
[解答群]
- y=x-3
- y=2x-3
- y=3x-3
- y=-x-3
- y=-2x-3
[問題3] 直線lとy軸との交点をDとすると、△OADをy軸を回転の軸として回転させてできる立体の体積を求めよ。
[解答群]
- π
- 43π
- 2π
- 143π
- 4π
解答と解説
解答と解説を記載していきます。
解き方が分からないという人を少しでも減らすためにできる限り分かり易く必要以上に細かく順を追って解説している部分がありますが、実際の試験時は丁寧に計算し過ぎると時間のロスに繋がるため、自分の分かるところは効率よく解答していくようにしてください。
問題1の解答と解説
試験問題1の解答:ア
点Aの座標が(-2、1)なので、放物線の式に代入し、係数aの値を求めていきます。
y=aX²
1=a×(-2)²
1=4a
a=14
問題2の解答と解説
試験問題2の解答:イ
問題1より、放物線の式はy=14x²だと分かりました。
また、点Bは放物線上にあり、設問よりx座標は6だと分かっているので点Bのy座標は次の通りになります。
y=14x²
=14×6²
=14×36
=9
よって、点Bの座標は(6、9)
同様に点Cのx座標は設問より2だと分かっているのでy座標は次の通り。
y=14x²
=14×2²
=14×4
=1
よって、点Cの座標は(2、1)
直線の式はy=ax+bなので、点B,点Cの座標値を代入し直線mの式を求めていきます。
直線mは点Bを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
9=6a+b・・・①
直線mは点Cを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
1=2a+b・・・②
①-②をしてaの値を求めます。
9-1=(6a+b)-(2a+b)
8=4a
a=2
このaの値を式①もしくは式②に代入しbの値も求めていきます。
1=2a+b・・・②
1=2×2+b
1=4+b
b=-3
よって、直線mの式は次の通り。
y=2x-3
問題3の解答と解説
試験問題3の解答:オ
今回求めたいのは下図のオレンジ色部分の立体の面積です。
平面図では分かり難いですが、そろばんの玉のような図形です。
体積の求め方は、下図のように立体を線分ACで切り、2つの円すいを作ったのち、2つの円すいの体積をそれぞれ求め最後に合計することで求めていきます。
直線lが通る2点、点Aと点Bの座標はそれぞれ点A(-2、1)、点B(6、9)と分かっているので直線のlの式を求めていきます。
直線lは点Bを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
9=6a+b・・・③
直線lは点Aを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
1=-2a+b・・・④
③+④×3をしてbの値を求めます。
9+1×3=(6a+b)+(-2a+b)×3
12=4b
b=3
bは直線lの切片、いわゆるy軸との交点座標なので、点Dの座標は(0、3)だとわかります。
ここまでわかった点を図形に書き込んでみます。
円すいの体積を求める公式は次の通り。
点Dが頂点となる円すいの体積
=底面積×高さ×13
=(2×2×π)×2×13
=8π3
点Oが頂点となる円すいの体積
=底面積×高さ×13
=(2×2×π)×1×13
=4π3
よって、求めたい図形の体積は次の通り。
8π3+4π3
=12π3
=4π
※解説を記載するまでもないと判断した問題に関しては、解説を記載せず解答のみを記載しています。もし、この問題の解説が欲しいというのがあれば、コメント欄に記載してください。また、記載している解説の内容に誤りや不明な点があれば遠慮なくコメントください。
★下記の解説
直線lが通る2点、点Aと点Bの座標はそれぞれ点A(-2、1)、点B(6、9)と分かっているので直線のlの式を求めていきます。
直線lは点Bを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
9=6a+b・・・③
直線lは点Aを通ることより以下の式が成り立ちます。
y=ax+b
1=-2a+b・・・④
★ここまでは理解できました。しかし下記の解説文↓
③+④×3をしてbの値を求めます。
★なぜ足すのか?また、なぜ×3するのか、まったくわかりません。。。
お手数ですが、補足説明をお願いします!
新田様
コメントありがとうございます。
連立方程式を解く場合、『加減法』と『代入法』という2つの解き方があるのですが、今回の場合であれば、『加減法』の解き方を利用しています。
例えば今回の以下の2式の連立方程式を加減法で解く場合、2式の左辺どうし、右辺どうしを足し算もしくは、引き算をして変数aとbのどちらかが残るように計算します。
9=6a+b・・・③
1=-2a+b・・・④
上の式であれば、単純に式③-式④をすればbの値が消えることは分かりますでしょうか?
③-④
9-1=(6a+b)-(-2a+b)
8=6a+2a
8=8a
a=1
aの値が分かったので、式③もしくは④にa=1を代入すれば、今回求めたいbの値が出てきます。
9=6a+b・・・③
9=6x1+b
b=3
このようにaの値を算出してから目的のbの値を導き出してもいいのですが、計算的には遠回りになるので、一気にbの値を求めるのが今回解説していたやり方です。
9=6a+b・・・③
1=-2a+b・・・④
bの値を求めるにはaが邪魔になりますよね?
なので、aを消すためにどうすればいいかを考えると、式④の両辺に3を掛ければ、以下のようになります。
9=6a+b・・・③
3=-6a+3b・・・④×3
ここで、③+(④×3)をすれば、aが消えてbの値だけが残りますよね。
9+3=(6a+b)+(-6a+3b)
12=4b
b=3
となります。もし、これでも理解ができなければ、『連立方程式 加減法』などで検索して頂ければ情報はたくさん見つかると思います。