平成25年度に沖縄県で実施された職業訓練の選考試験で出題された試験問題と、その解答と解説です。 本ページでは数学問題の設問【4】のみ記載しています。数学問題の設問【1】~【3】に関しては、次のページを参照してください。
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【1】
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【2】
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【3】
具志川職業能力開発校、浦添職業能力開発校 共通
【4】次の問に答えなさい。
放物線Y=X²上に、2点A、BをX座標がそれぞれ-1、2となるようにとる。また、点Pが放物線上のOとBの間にあるとする。△PABの面積をSとし、Pを通ってABに平行に引いた直線がY軸と交わる点(0, a)とするとき、次の問に答えなさい。
[問題1]
直線ABの式を求めなさい。
[問題2]
Sをaの式で表しなさい。
[問題3]
S=3となる点Pの位置を求めなさい。
[問題4]
S=27/3となる点Pの位置を求めなさい。
解答と解説
試験問題1の解答:Y=X+2
まずは、点Aと点Bの座標をもとめましょう。
点Aの座標
点AのX座標は、放物線Y=X² 上の点で-1ということなので、Y座標を求めるには放物線の式にX=-1を代入すればよい。
Y=X²=(-1)²=1
よって、点Aの座標は(-1, 1)
点Bの座標
点BのX座標は、放物線Y=X² 上の点で2ということなので、Y座標を求めるには放物線の式にX=2を代入すればよい。
Y=X²=(2)²=4
よって、点Bの座標は(2, 4)
直線ABの式を求める
直線の式をY=aX+bとした場合、この直線は点A(-1, 1)と、点B(2, 4)を通るのでXとYの値をそれぞれ代入し、aとbの値を求め直線の式を完成させます。
点A(-1, 1)を通る事より
Y=aX+b
1=-a+b ・・・(1)
点B(2, 4)を通る事より
Y=aX+b
4=2a+b ・・・(2)
式(1)(2)ができました。式(1)(2)の左辺どうし、右辺どうしをそれぞれ引き算するとaの値が求まります。
1=-a+b ・・・(1)
4=2a+b ・・・(2)
1-4=(-a+b)-(2a+b)
-3=-3a
a=1
aの値が求まりました。このaの値を式(1)もしくは式(2)に代入すると残るbの値も求まります。
1=-a+b ・・・(1)
1=-1+b
b=2
よって、直線の式Y=aX+bは、Y=X+2 だと分かります。
試験問題2の解答:(6-3a)/2
少々難易度が高い問題です。難易度が高いと言っても難しい計算が必要なわけではなく、ある事に気が付くか気が付かないかの差です。この差は過去に同様の問題を実施していなければ気が付き難いので、今回でしっかり覚えておきましょう。
上図のように点Pを通る直線がY軸と交わる点をC点とします。座標は設問にも記載されている通り(0, a)です。
求めるのは、三角形PABの面積ですが、実は三角形PABの面積は三角形CBAの面積と同じになります。この点が過去に同様の問題をやった人でないと気が付かない点です。では、何故、三角形PABと三角形CBAが同じ面積なのか?
三角形の面積は、『底辺×高さ÷2』ですよね。
三角形PABの面積を求める場合、底辺を辺ABとした場合、高さは点Pから線分ABに垂直に下ろした線になります。
次に三角形CABの面積を求める場合、底辺を辺ABとした場合、高さは点Cから線分ABに垂直に下ろした線になります。底辺はABで三角形PABと共通なので長さは同じ。また、高さも点Pを通る直線と直線ABは平行なので、点Cから直線ABに垂直に下ろした距離も三角形PABの高さと同じになります。
よって、底辺の長さと高さが同じということは、当然、面積も同じことになります。そこで、問題は三角形PABの面積を求めるとありますが、三角形CABの面積を求めても同じなので三角形CABの面積を求めます。
三角形CABの面積を求めるには下図のように三角形①②の2つに分離して考えます。
直線ABとY軸の交点をD(0, 2)とした場合、三角形CADと、三角形CBDの面積は次のようになります。
三角形CADの面積
三角形の底辺を辺CDとした場合、高さは点AのX座標になります。辺CDの長さは、D点のY座標-C点のY座標なので
底辺CDの長さ=2-a
高さ=1
高さはA点のX座標ですが、X座標は-1。しかし、高さが-1というのはおかしい。あくまで長さなのでX座標値の絶対値になります。よって、高さは1となります。
三角形CADの面積=(2-a)×1÷2
=(2-a)/2
上図のような三角形CADがあり、底辺を辺CDとした場合、三角形CADの高さは頂点Aから辺CDに垂直に下ろした線が高さ部分となる。点Aは、Y座標から-1離れた位置にあり(A点のX座標のことですね)、これが三角形CADの高さになります。
三角形CBDの面積
底辺は、三角形CADと同じ辺CD。高さは、点BのX座標となります。
底辺CDの長さ=2-a
高さ=2
よって、三角形CBDの面積は
三角形CBDの面積=(2-a)×2÷2
=(2-a)
三角形ABCの面積
三角形ABCの面積Sは、三角形CADとCBDの合計なので、
S=(2-a)/2+(2-a)
=3(2-a)/2
=(6-3a)/2
試験問題3の解答:(1, 1)
問題2で求めた面積の式を利用します。
S=(6-3a)/2
この式にS=3を代入するとaの値が求まります。
3=(6-3a)/2
6=(6-3a)
3a=6-6
3a=0
a=0
よって、点Pを通る直線は原点(0, 0)を通る直線だとわかります。よって、点Pを通る直線の式は、
Y=X
この直線と放物線Y=X²が交わる点がPなので、直線の式を放物線の式に代入し、P点の座標を求めます。
Y=X² にY=Xを代入
X=X²
X²-X=0
X(X-1)=0
よって、X=0、1
この時のY座標は
(0, 0) (1, 1)
このことより、点Pは座標(0, 0)と(1, 1)の2ヵ所で交わることがわかります。しかし、座標(0, 0)は原点Oのこと。問題では『点Pは放物線上のOとBの間にある』となっているので、原点(0, 0)は除外。よって、求めたい点Pの座標は(1, 1)
試験問題4の解答:(1/2, 1/4)
問題3と解き方は同じです。
S=(6-3a)/2
この式にS=27/8を代入するとaの値が求まります。
27/8=(6-3a)/2
27=4(6-3a)
27=24-12a
12a=24-27
a=-1/4
よって、点Pを通る直線は点(0, -1/4)を通る直線だとわかります。よって、点Pを通る直線の式は、
Y=X-1/4
この直線と放物線Y=X²が交わる点がPなので、直線の式を放物線の式に代入し、P点の座標を求めます。
Y=X² にY=X-1/4を代入
X-1/4=X²
X²-X+1/4=0
4X²-4X+1=0
(2X-1)²=0
よって、X=1/2
この時のY座標は
Y=X²
Y=(1/2)²
=1/4
よって、求めたい点Pの座標は(1/2, 1/4)
※解説の内容が不明、不十分というのがあればコメントをください。
ごめんなさい、三角形CADの高さがA点のx座標と一緒の説明が省略されている為、なぜ高さがx座標と一緒なのか納得行かず先へ進めません
kajaa様
コメントありがとうございます。
「※問い合わせに対する補足」の部分に解説を追記しました。ただ、逆に表現がややこしくなってしまったかもしれません。ご確認お願い致します。
すっきりしました!本当にありがとうございます!
視点が大きく広がりました!