このページは平成30年度入校の長崎県立高等技術専門校(職業訓練校)一般選考試験問題の問2の解答と解説を記載しています。
問1、問3、問4に関しては以下のページに解説をまとめているので参考にして下さい。
実際の試験の問題のPDF用紙は以下のページで確認することができます。
試験問題 問2
次の各設問の回答として正しいものをア~エの中から選びなさい。
2次関数 Y=X²-2aX+8a-12・・・(イ)がある。次の各設問に答えなさい。
(1)2次関数(イ)の頂点の座標を求めなさい。
[解答群]
- (a,a²+8a-12)
- (-a,a²+8a-12)
- (-a,-a²+8a-12)
- (a,-a²+8a-12)
(2)a=1としたときの、2次関数(イ)の 0≦X≦4 の最大値をM、最小値をmとする。M-m の値を求めなさい。
[解答群]
- 8
- 9
- 10
- 16
(3)2次関数(イ)がX軸と異なる2点で交わるとき、定数aの値の範囲を求めなさい。
[解答群]
- 3<a<4
- a<3、4<a
- 2<a<6
- a<2、6<a
(4)2次関数(イ)がX軸と異なる2点で交わるとき、その交点をA,Bとする。線分ABの長さが4√3となる定数aの値を求めなさい。
[解答群]
- -2,10
- -1,9
- 0,8
- 1,7
解答と解説
(1)の解答:エ
この問題を解くには平方完成の知識が必要です。二次関数の頂点座標を求める公式を知っていればさらに早く解くことができます。
二次関数Y=(X+a)²+b という式があった場合、その二次関数の頂点座標は(-a,b)となります。よって、平方完成を利用してこの形式に変形させます。
Y=X²-2aX+8a-12
=(X-a)²-a²+8a-12・・・①
よって、二次関数の頂点座標は(a,-a²+8a-12)となります。
(2)の解答:イ
(1)の解答より、頂点座標にa=1を代入すると、頂点座標は次のようになります。
頂点(1,-5)
そして、二次関数の式は次の通り。
Y=(X-1)²-5
二次関数の式はX²の係数がプラスなので二次関数は上開きのグラフとなります。
よって、Yが最小値となるのは頂点となります。よって、最小値mは-5となります。
最小値m=-5
次に最大値Mですが、2次関数の上開きのグラフの場合、最小値である頂点のX座標から遠い位置にあるX座標ほどYの値は大きくなります。
よって、頂点のX座標は1なので、X=0のときよりもX=4のときの方が遠い位置にあり、Yの値も大きいと瞬時にわかります。よって、最大値Mは次の通り。
Y=(X-1)²-5
=(4-1)²-5
=9-5
=4
最大値M=4
よって、M-mは次の通り。
M-m=4-(-5)=9
(3)の解答:エ
『X軸と異なる2点で交わる』と言う表現が誤解を生みやすく、『X軸と異なる?Y軸と交わるということ?』と思ってしまう人もいあるかもしれませんが、これは『X軸上の異なる2点で交わる』ということです。
X軸上の異なる2点で交わるには、二次関数の頂点がX軸よりも下にある必要があります。頂点がX軸上にある場合は、1点しか交わらず、X軸よりも上にある場合はX軸と1点も交わりません。
二次関数の頂点座標は(1)で求めており、頂点(a,-a²+8a-12)だと分かっています。このY座標が0よりも小さくなる必要があるので、以下の式が成り立ちます。
-a²+8a-12<0
この不等式を解くと求めたいaの範囲が出てきます。
-a²+8a-12<0
a²-8a+12>0
(a-6)(a-2)>0
よって、aの範囲は次の通り。
a<2、6<a
(4)の解答:ウ
まずは、二次関数がX軸と交わる点の座標を求めます。下の式は(1)で二次関数(イ)を変形させた式です。
Y=(X-a)²-a²+8a-12・・・①
X軸と交わる点なので、Y=0となります。よって、上の二次関数の式にY=0を代入します。
0=(X-a)²-a²+8a-12
(X-a)²=a²-8a+12
X-a=±√a²-8a+12
X=a±√a²-8a+12
よって、X軸と交わる2点の座標は、次の2つになります。
(a+√a²-8a+12,0)、(a-√a²-8a+12,0)
線分ABの長さは、上記2点のX座標の差なので以下の式が成り立ちます。
(a+√a²-8a+12)-(a-√a²-8a+12)=4√3
2√a²-8a+12=4√3
√a²-8a+12=2√3
両辺を2乗してルートを取り除きます。
(√a²-8a+12)²=(2√3)²
a²-8a+12=12
a²-8a=0
a(a-8)=0
よって、a=0、8
※記載している解説の内容に誤りや不明な点があれば遠慮なくコメントください。