平成25年度に沖縄県で実施された職業訓練の選考試験で出題された試験問題と、その解答と解説です。 本ページでは数学問題の設問【2】のみ記載しています。数学問題の設問【1】、【3】~【4】に関しては、次のページを参照してください。
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【1】
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【3】
沖縄 職業訓練 平成25年度 試験問題と解答 問題【4】
具志川職業能力開発校、浦添職業能力開発校 共通
【2】次の問に答えなさい。
[問題1] 下図において、斜線部分の面積の和を求めなさい。ただし、円周率はΠとして答えること。
[問題2] 下図において、角Xの大きさを求めなさい。
[問題3] 下図において、Xの長さを求めなさい。
[問題4] 下図において、Xの長さを求めなさい。
[問題5] 下図において、同じ印をつけた角は等しいとするとき、角Xの大きさを求めなさい。
解答と解説
試験問題1の解答:25Π-50
一見難しいように思えますが、パーツごとに分解して計算していくことに気が付けば難しいことはありません。まずは、下図の斜線①の面積を求めます。
この斜線①を求めるには下図のように図を分解して考えたら簡単ですね。
斜線①は、半径10cmの円を1/4にしたもの。AとCは、半径5cmの円を1/4にしたもの。Bは、1辺が5cmの正方形。よって、斜線①の面積は、次の式で表すことができます。
斜線①の面積=
(半径10cmの円の面積)/4 - (半径5cmの円の面積)/4 - (半径5cmの円の面積)/4 - 1辺が5cmの正方形の面積
これを実際に計算すると、
斜線①の面積=
(10×10×Π)/4 - (5×5×Π)/4 - (5×5×Π)/4 - (5×5)
=25Π - 25Π/4 - 25Π/4 - 25
=25Π/2 - 25
次に、斜線②の面積を求めます。
しかし、真面目に斜線②の部分を求めようとすると難しくなるので、まずは、下図のAの面積を求めます。
1辺が5cmの正方形の面積から半径5cmの円の1/4の面積を引けば、Aの面積がでてきます。
Aの面積
Aの面積=(5×5)-(5×5×Π÷4)
=25-25Π/4
これでAの面積が求まりました。次に1辺が5cmの正方形の面積から『Aの面積×2』を引けば斜線②の面積を求めることができます。
斜線②の面積=
(5×5)-(25-25Π/4)×2
=25-50+25Π/2
=25Π/2-25
斜線全体の面積は、斜線①と斜線②の合計なので、
斜線全体の面積=(25Π/2 - 25)+(25Π/2-25)
=25Π-50
試験問題2の解答:101°
下図のように線aと平行な線bを引き、①②③④の順で角度を求めていきます。
①の角度
三角形の内角の和は180度なので、①の角度は次の通り。
①の角度=180-40-25=115
②の角度
②の角度は、180から①を引いた角度なので次の通り。
②の角度=180-115=65
③の角度
線aとbは平行なので、②と③の角度は等しいことになります。よって、③の角度は、65°
④の角度
線aとbは平行なので、④の角度は36°とすぐにわかります。
rの角度
rの角度は、③+④の角度に等しいので、
rの角度=65+36=101°
試験問題3の解答:3
相似の問題です。
∠DAEと∠BACは、向かい合う角なので等しい。また、辺DEと辺BCは平行なので、∠DEAと∠ABC、∠ADEと∠ACBもそれぞれ角度が等しいと分かります。
※補足
図中の『–>—』は、平行を意味します。これを知っていないとこの問題は解けないので覚えておきましょう。
三角形の相似条件の一つに『2組の角度が等しい』というものがあります。要は、三角形なので2組の角度が等しいということは、三角形の3角が等しいというのと同じことですね。よって、三角形ABCと三角形AEDも3組の角度が等しいので、この2つの三角形は相似ということが言えます。
辺ABに相似しているのが辺AE。辺ABの長さが4、辺AEの長さが2なので、相似比は、2:1 だと分かります。
よって、辺ACに相似している辺が辺ADなので、その長さの比も2:1となります。
辺AC:辺AD=6:X
比が2:1となるには、辺ACの長さの半分がXということになります。よって、Xの長さは3
辺AC:辺AD=6:3=2:1
試験問題4の解答:2√5
中学3年あたりで習う三平方の定理を使用します。これを知っていないとこの問題は解けません。
直角三角形の各辺の長さは、次の式が成り立ちます。(斜辺がc)
a²+b²=c²
よって、今回の問題の場合、次のようになります。
a²+b²=c²
4²+X²=6²
これを解くと、Xの長さが求まります。
4²+X²=6²
X²=6²-4²
X²=36-16
X²=20
X=√20
X=√4×5
X=√2²×5
X=2√5
試験問題5の解答:X=115°
まずは、分かっていることを全て式に置き換えていきましょう。
三角形ABCは三角形なので内角の和が180°となります。よって、次の式が成り立ちます。
50+○+○+x+x=180
2○+2x=130
○+x=65 ・・・(1)
更に三角形DBCも三角形なので内角の和が180°となります。よって、次の式が成り立ちます。
X+○+x=180
(1)より、○+x=65 と分かっているので、上の式は次のようになります。
X+○+x=180
X+65=180
X=180-65
X=115
※解説の内容が不明、不十分というのがあればコメントをください。
はじめまして。
ちょっとわからなかったので質問させてください。
問題1の解法ですが
赤丸1の部分と2の部分をあわせてかまぼこ形とみなし
(ちょうど2の部分をまっぷたつにした分が1の部分の凹みのこの部分に収まるので)
半径10の1/4の円の面積から、三角径の面積を弾く方法ではダメなのでしょうか??
その場合は
10*10*π*1/4 (1/4円の面積)これから
10*10*1/2 (三角形の面積)これを引いて
25πー50となります。
あと、表記はΠとπがあるのですが、
筆記試験の際は後者で書く方で統一していいものなのでしょうか?
問題1について 様
コメントありがとうございます。
>赤丸1の部分と2の部分をあわせてかまぼこ形とみなし
>(ちょうど2の部分をまっぷたつにした分が1の部分の凹みのこの部分に収まるので)
>半径10の1/4の円の面積から、三角径の面積を弾く方法ではダメなのでしょうか??
素晴らしい計算方法だと思います。そちらの方法の方が早くて解けますね。
>あと、表記はΠとπがあるのですが、
>筆記試験の際は後者で書く方で統一していいものなのでしょうか?
これは、HTMLで記載しているフォント上の問題なだけなのでπ(パイ)と分かるようにだけ
明確に記載すれば問題ありません。
試験問題4について質問させてください。
試験問題4は三角形の対比1:2:√3でもできますか?
田の上さま
コメントありがとうございます。
1:2:√3が利用できるのは、下図のように三角形の内角が30度、60度、90度となっている直角三角形に限ります。問4の場合は、内角が不明という点、さらに底辺が4に対して斜辺の長さが6なので、この時点で1:2の部分が成り立っていません。よって、内角も30度、60度、90度ではないことが分かります。
したがって、問4は1:2:√3の三角比を利用することはできません。
他に不明なてんがあれば、またコメント下さい。よろしくお願いします。