平成27年2月20日に実施された大阪の職業訓練の選考試験問題と解説です。大阪で行われる職業訓練の試験問題は、筆記試験ではなく毎回、選択方式です。問題4は図形の問題が頻繁に出題されます。過去問を繰り返し実施し、短時間かつ正確に解けるようにしておきましょう。

次の図で、1辺6cmの立方体ABCD-EFGH の辺ABとBCの中点をそれぞれ点M、点Nとして、この立方体を3点M、N、Fを通る平面で切り、2つの立体に分けることを考える。このとき、次の各問の答えとして正しいものをア~オの中から 1 つ選び、記号で答えなさい。

h27-2-20-f-q4-1

[問題1] 切り分けられた2つの立体のうち、小さい方の体積を求めよ。

[解答群]
 13cm³
 12cm³
 11cm³
 10cm³
 9cm³

[問題2] 切断面FNMの面積を求めなさい。

[解答群]
 25/2 cm²
 25/3 cm²
 25/4 cm²
 27/2 cm²
 25/4 cm²

[問題3] 切り分けられた2つの立体のうち、大きい方の立体について、さらに4点M、N、E、Gを通る平面で切り、2つの立体に分ける。このとき、小さい方の立体の体積を求めよ。

[解答群]
 50cm³
 51cm³
 52cm³
 53cm³
 54cm³

解答と解説

問題1の解説:
小さい方の立体は、下図の赤線の三角すいになります。よって、三角すいの体積の求める公式を知っている必要があります。

h27-2-20-f-q4-3

 三角すいの体積=底面積×高さ×(1/3)

底面は三角形MNBです。点M、Nは辺AB、辺BCの中点なので、MBの長さ、NBの長さは共に3cmだとわかります。よって、三角形MNBの面積は次の通り。

 三角形MNBの面積=3×3÷2
          =4.5cm²

更に三角すいの高さは辺BFなので6cmです。よって、三角すいの体積は公式より次の通り。

 三角すいの体積=底面積×高さ×(1/3)
        =4.5×6×(1/3)
        =9cm³

解答:オ

問題2の解説:
切断面FMNは三角形です。よって、面積を求めるには底辺の長さと、高さを知る必要があります。

底辺をMNとした場合、高さは辺MNの中点OからFに引いた青線部分になります。

h27-2-20-f-q4-2

それでは、底辺の長さと高さを求めていきます。

底辺MNの長さを求める
下図のように辺MB、BNの長さは3cmと分かっています。また、∠NBM=90°なので、三角比が利用できます。

h27-2-20-f-q4-4

三角比
tokyo-sugaku-h25-01-q2-3

よって、三角比より、辺MN=3√2

高さOFの長さを求める
三角形MNBの面積は、問題1で4.5cm²と分かっています。よって、次の式が成り立ちます。

 三角形MNBの面積=底辺MN × 高さOB ÷ 2
 4.5=3√2 × OB ÷ 2
 9=3√2 × OB
 OB=3/√2

次に辺OFの長さを求めるためにまずは、三角形OBFについて見ていきます。

h27-2-20-f-q4-5

∠OBF=90°なので、三平方の定理を使用することができます。

※三平方の定理
三平方の定理

c²=a²+b²

が成り立つ。よって、これを三角形OBFにあてはめると

 c²=a²+b²
 OF²=OB²+BF²
 OF²=(3/√2)²+6²
 OF²=9/2+36
 OF²=81/2
 OF=9/√2

三角形FMNの面積を求める
三角形FMNの底辺MN=3√2、高さOF=9/√2と分かったので、三角形FMNの面積は次の通り。

 三角形FMNの面積=辺MN × 辺OF ÷ 2
          =(3√2) × (9/√2) ÷ 2
          =27/2

よって、三角形FMNの面積は、27/2 cm²

解答:エ

問題3の解説:
図のように図形MBN-EFG(赤線)について考えます。この図形MBN-EFGは、最初の小さな図形三角すいMBN-Fも含まれるので、後程、図形MBN-EFGから三角すいMBN-Fの体積(問題1)を引いて、今回求めたい図形の体積を求めます。

図形MBN-EFG(赤線)を延長させ、三角すいEFG-Pを作ります。

この三角すいEFG-Pと三角すいMBN-Pは相似な三角すいです。そして、その比は

 三角すいEFG-P:三角すいMBN-P=6:3=2:1

だと分かります。よって、

 辺PF:辺PB=2:1

も成り立ちます。辺BFの長さは6cmなので、辺PBの長さをXとした場合次の式が成り立ちます。

 辺PF:辺PB=(X+6):X

この(X+6):Xが2:1となるはずなので

 (X+6):X=2:1

これを解くと、

 (X+6):X=2:1
 X+6=2X
 X=6

辺PBの長さが6cmと分かりました。よって、辺PFの長さは12cmとなります。このことより、三角すいEFG-Pの体積は、

 三角すいEFG-Pの体積=底面積 × 高さ ÷ 3
             =三角形EFGの面積 × 辺PF ÷ 3
             =(6×6÷2) × 12 ÷ 3
             =72cm³ ・・・(1)

次に三角すいMBN-Pの体積を求めます。

 三角すいMBN-Pの体積=底面積 × 高さ ÷ 3
             =三角形MBNの面積 × 辺PB ÷ 3
             =(3×3÷2) × 6 ÷ 3
             =9cm³ ・・・(2)

よって、(1)-(2)をすれば、図形MBN-EFG(赤線)の体積が出てきます。

 (1)-(2)=72-9=63cm³ ・・・(3)

更にこの図形MBN-EFG(赤線)は、問題1で求めた最初の小さな図形の体積も含まれてしまっているので、問題1で求めた最初の小さな図形の体積を(3)から引くと、今回求めたい体積が出てきます。

 63cm³-9cm³=54cm³

解答:オ

※解説の内容が分からない場合はコメント下さい。