平成27年2月20日に大阪で実施された職業訓練の選考試験問題と解説です。大阪で行われる職業訓練の試験問題は、筆記試験ではなく毎回、選択方式です。問題傾向も毎回同じなのでこれらの過去問を繰り返し実施し、短時間かつ正確に解けるようにしておきましょう。

次の方程式を解き、適当な数字を次のア~オの中から選び、答えなさい。

[問題1] 3.6%の食塩水200gと5.1%の食塩水300gを混ぜ合わせると、何%の食塩水ができるか。
312

[解答群]
  4.1%   4.2%   4.3%   4.4%   4.5%

[問題2] 現在、兄と弟は6歳差です。ちょうど5年後、この兄と弟の年齢の比が9:7になる。現在の兄の年齢を求めなさい。

[解答群]
  13歳   19歳   22歳   28歳   31歳

[問題3] ある商品は定価では売れなかったので、定価の2割引で売ったところ、それでも仕入れ値の2割の利益があった。定価が3600円であるとき、仕入れ値を求めなさい。

[解答群]
  2400円   2500円   2600円   2700円   2800円

[問題4] 中心角90°面積が5πのおうぎ形と、中心角120°面積が15πのおうぎ形の半径を比べると何倍であるか求めよ。

[解答群]
  1.3倍   1.4倍   1.5倍   1.6倍   1.7倍

[問題5] 縦の長さが240cm、横の長さが312cmである長方形の紙を、余ることなく同じ大きさの正方形に切り分ける。正方形の大きさを最大にするとき、何枚の正方形ができるか求めよ。

[解答群]
  120枚   125枚   130枚   135枚   140枚

解答と解説

試験問題1の解答:
食塩水の濃度を求める公式を頭に入れておく必要があります。

 食塩水の濃度(%)=食塩の量 ÷ 食塩水の量

3.6%の食塩水200gに含まれる食塩の量を求める
公式より

 食塩水の濃度(%)=食塩の量 ÷ 食塩水の量
 3.6%=食塩の量 ÷ 200g
 0.036=食塩の量 ÷ 200
 食塩の量=0.036 × 200
     =7.2g

5.1%の食塩水300gに含まれる食塩の量を求める
公式より

 食塩水の濃度(%)=食塩の量 ÷ 食塩水の量
 5.1%=食塩の量 ÷ 300g
 0.051=食塩の量 ÷ 300
 食塩の量=0.051 × 300
     =15.3g

3.6%の食塩水200gと5.1%の食塩水300gの混合食塩水
3.6%の食塩水200gと5.1%の食塩水300gの食塩水を混ぜると、

 食塩水の量=200g+300g=500g

更に食塩の量は、3.6%の食塩水200gに含まれる食塩の量は、7.2g。3.6%の食塩水200gに含まれる食塩の量は、15.3gなので、混合食塩水に含まれる食塩の量は、

 食塩の量=7.2g+15.3g=22.5g

よって、混合食塩水の濃度は、公式より

 食塩水の濃度(%)=食塩の量 ÷ 食塩水の量
 食塩水の濃度(%)=22.5 ÷ 500
         =0.045
         =4.5%

試験問題2の解答:
『兄と弟の年齢の比が9:7』という表現に惑わされてはだめ。これは、兄の年齢が弟の年齢の9/7倍ということ。兄が9歳、弟が7歳として考えると9/7倍というのはすぐに分かる。

求めたい兄の現在の年齢をXとした場合、弟とは6歳差なので各々の年齢は次のように表すことができます。

 兄の年齢=X
 弟の年齢=X-6

そして、5年後の年齢は共に5歳年を取るので、各々の年齢は次のように表すことができます。

 兄の年齢=X+5
 弟の年齢=X-6+5=X-1

また、このとき兄の年齢は弟の年齢の9/7倍になるので次の式が成り立ちます。

 兄の年齢=弟の年齢×9/7
 (X+5)=(X-1)×9/7

この式を解けば求めたい兄の現在の年齢Xが出てきます。

 (X+5)=(X-1)×9/7
 (X+5)×7=(X-1)×9
 7X+35=9X-9
 -2X=-44
 X=22

よって、兄の現在の年齢は22歳

試験問題3の解答:
求めたい仕入れ値をXと仮定します。

最終的に割引きしても仕入れ値の2割の利益があったということなので、その利益額は次の式で表すことができます。

 利益額=仕入れ値 × 2割
    =X × 0.2
    =0.2X

利益額が0.2Xと分かりました。よって、実際に売った値段は、仕入れ値にこの利益額0.2Xを上乗せした額だと分かります。よって、その売値は

 売値=仕入れ値+利益額
   =X+0.2X
   =1.2X ・・・(1)

また、売値を別の角度から求めます。定価3600円の2割引きで売ったということなので、売値は次の通りになります。

 売値=定価-(定価×割引き率)
   =3600-(3600×0.2)
   =2880

※補足
定価の2割引きということは、定価の8割で売るということなので、
 売値=定価×0.8
   =3600×0.8
   =2880

として求めてもよい。

この売値2880円が(1)と同じになるはずなので、次の式が成り立ちます。

 1.2X=2880

この式を解くと求めたい仕入れ値Xが出てきます。

 1.2X=2880
 X=2400

よって、仕入れ値は2400円

試験問題4の解答:
ここで使用するのは、円の面積を求める公式です。

 円の面積=半径×半径×Π

中心角90°、面積が5πのおうぎ形の半径を求める
求めたい半径をRとします。中心角が90°ということは、半径Rの円を1/4(90÷360)にした円になります。下図の赤線のような扇形ですね。

h27-2-20-f-q1-1

よって、この扇形の面積は半径Rの面積を1/4したものと同じになります。

半径Rの円の面積は、公式より

 半径Rの面積=R×R×Π
       =R²Π

扇形の面積はこの円の面積の1/4なので次の通り。

 扇形の面積=半径Rの面積×1/4
      =R²Π/4

また、この扇形の面積が5Πということなので次の式が成り立ちます。

 5Π=R²Π/4

この式を解くと半径Rが求まります。

 5Π=R²Π/4
 20Π=R²Π
 R²=20
 R=√20
 R=√2²×5
 R=2√5

中心角 120°、面積が15πのおうぎ形の半径を求める
求めたい半径をrとします。中心角が120°ということは、半径rの円を1/3(120÷360)にした円になります。よって、この扇形の面積は半径rの面積を1/3したものと同じになります。

半径rの円の面積は、公式より

 半径rの面積=r×r×Π
       =r²Π

扇形の面積はこの円の面積の1/3なので次の通り。

 扇形の面積=半径rの面積×1/3
      =r²Π/3

また、この扇形の面積が15Πということなので次の式が成り立ちます。

 15Π=r²Π/3

この式を解くと半径rが求まります。

 15Π=r²Π/3
 45Π=r²Π
 r²=45
 r=√45
 r=√3²×5
 r=3√5

2つの扇形の半径比を求める
中心角90°の扇形の半径は、
 R=2√5

中心角120°の扇形の半径は、
 r=3√5

と分かりました。よって、

 R:r=2√5:3√5
    =2:3

ようは、Rが2に対して、rが3なので1.5倍ということになります。

試験問題5の解答:
イメージとしては下図のような形ですね。

h27-2-20-f-q2-1

縦横が1cmの正方形の場合であれば、縦に240個、横に312個並ぶことになります。更に縦横が2cmの正方形であれば縦に120個、横に156個並ぶことになります。縦横が3cmの正方形であれば縦に80個、横に104個といったように色々な大きさの正方形を入れることができます。

これは、実は、240cmと312cmの公約数が1辺の長さとなる正方形であれば、この長方形の中に隙間なく入れることができます。

240cmと312cmの公約数は、{1、2、3、4、6、~}と複数ありますが、設問では正方形の大きさが最大となるということなので、1辺の長さが240と312の最大公約数になります。240と312の最大公約数は次の通り。

  2)240 312
  2)120 156  
  2)60  78
  3)30  39
    10  13

 最大公約数=2×2×2×3=24

1辺が24cmの正方形だと分かりました。1辺が24cmの正方形が長方形の中に入る数は

 縦に入る数=240÷24=10個
 横に入る数=312÷24=13個

よって、長方形の中に入る正方形の数は、

 長方形の中に入る正方形の数=10×13=130個